2020年4月26日日曜日

プライバシーポリシー


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個人情報の安全対策
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お問い合せ
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(モバイルアプリ用のプライバシーポリシーです。必要に応じて修正します。)

2018年9月22日土曜日

第10回ぷちコンに応募した話 技術編

というわけで導入編に続き、技術解説や助けられた記事紹介など。




プレイヤーキャラクターのBP全景。こうするとキレイになるよ、というのがあれば教えてください(切実)

プレイヤーキャラクターのスケール変化処理について

今回、主人公のグレイマンスケールは時間経過でどんどん縮みながらも、修正マニュアルを取得していくことで人間サイズまで大きくなれるという設定だよ。ただしゲーム上では、1/100サイズが原寸で、それ以上は拡大しているという、設定とは真逆の処理になっているよ!

というのも、初期のテストでは、プレイヤーキャラクターを縮小すると、例えば背後の壁などに後ずさりした際に通常ならTPS視点用のカメラアームが縮んでカメラは壁を貫通しないけど、1/10以下に縮小した結果、同じことをすると壁などオブジェクトを突き抜けてしまうよ!

カメラコリジョンの大きさを変えたりして試行錯誤したけど結局解決できなくて上記の方法をとったけど、もしキャラクター縮小時の不具合について解決策があれば教えてください!




また、プレイヤーを100倍するために当然部屋のステージも100倍しているため、ライティングビルドで大きすぎるオブジェクトにダイナミックシャドウが投影されているのでパフォーマンスに影響があるよ、という旨のメッセージが出ることに…

結局部屋は大したポリゴン数でもテクスチャサイズでもないし、最終的に十分なFPSは出ていたので無視しました。(これでいいのかわからない…)




スケール変化はプレイヤーキャラクターのBP上のTickで処理しているよ。Tick上でめちゃめちゃいろいろ処理しているので、その道の方が見たら卒倒起こすかも…!?一応ほとんどのTickはインターバル0.01で処理しているけど…。



またスケールが変化すると当然移動速度や加速度、ジャンプ力などCharacterMovementの各パラメーターも変化させる必要があるので、Tick処理で変化させたスケールの変数をそれぞれ必要に応じて加算・乗算して各パラメーターに与えそれっぽい挙動になるようにしているよ。

これは全部のパラメーターの調整が必要だし、特にジャンプ力と重力の設定が曲者だったよ。


どう設定してもプレイヤーキャラクターを拡大していった結果、極端にジャンプ力が低くなるか、一定の低高度で滞空し続けるといった状態を引き起こしてしまったよ。


初期は滞空中のみTick処理でマイナス方向にLaunch Characterで力を与えて疑似的に重力として運用していたけど、当然ながらTick処理のため、ジャンプ力がパフォーマンスによって変化するという致命的な状態だったので止めたんだ…。


結局試行錯誤でジャンプ力(今回ジャンプはLaunchcharacterで処理しているので、その数値)と重力は設定したよ…。拡大すると滞空時間長めなのはいまだ解決できていないけどね…。

CharacterMovement設定についてはこの記事を参考にさせていただきました。

もんしょの巣穴blog [UE4] Characterアクター


UIについて


UIのBP全景


スケールインジケーターと称したHPバーに当たる部分は縦横のスケールとXY位置、そして色の変化をアニメーションさせている


現状のプレイヤーの体の大きさUIはUMGのアニメーション機能で拡大・縮小しているよ。0秒で最小、10秒で最大といった感じに画像をアニメーションさせて、プレイヤーキャラクターの現在スケールを取得して再生時間と同期させているよ(UIのBP全景参照)。あと、HPバーが一気に減った時に残像的な表現がしたかったので、プレイヤーキャラクター側で遅延したスケール値を設定しているんだ。↓


プレイヤーキャラクター側のUI用処理。遅延スケール値はタイムラインとFinterpを使ったシンプルな処理
 

それをUIのBP側で受け取ってスケールインジケーターの背後のレイヤーで同じようにアニメーションさせているよ!
このあたりはアンサーハブを参考にしました。

 UE4 ANSWER HUB プログレスバーのアニメーション。

最初はスケールインジケーターをSet Render Transformで変化させていたけど、ぎこちない動きなのと、残像のエフェクトも作りたくなった結果UMGアニメーションが必要となり、結果的に以下の記事が参考になりました。



 

旧スケールインジケーターのアニメーション処理。調整が面倒。


敵のランナーグレイマンについて



ランナーグレイマンのBP全景

 


ランナーグレイマンのビューポート 


敵のランナーグレイマンはPawnSensingで視界にプレイヤーが入れば、AI Move Toで追いかけてプレイヤーがトリガーのスフィアに触れたら自爆し、プレイヤーにダメージを与えるという処理をしているよ!

PawnSensingの使い方は以下の記事を参考にしました。
GPU_RETURNS UE4でらくらくAI実装に挑戦!!-その2 -

ちなみにビヘイビアツリーで処理しようとしたけど、勉強不足で上手く動作しなかったのと、追いかけて自爆するだけならAI Move Toでいいや、という結論になりました。


 

 

また、隣接するランナーグレイマンがプレイヤーを発見すれば、ほかのランナーグレイマンの視界に入っていなくてもAI Move Toを実行する処理を与え、より自然な挙動になるようにしているよ。

そして同じように、隣接したランナーグレイマンが自爆した際に、誘爆するような処理も組んでいるよ!



ランナーグレイマンもステージスケール100倍の弊害を受けていて、Nav proxy Linkがうまく機能しなかったよ。これは検証時間も少なく、プロジェクト設定を見直せていなかったので(時間がある時に検証します…)、結局段差の前にトリガーボリュームを置いて、適合したタグを持つランナーグレイマンがオーバーラップした時にLaunch Characterでジャンプさせているよ。



ランナーグレイマンジャンプ用トリガーのBP


縁の部分でも同じ処理をして自然に飛び降りているかのように見せているよ。


緑色の枠がジャンプ用トリガー。ブーリアン変数「Do jump?」をパブリック化してレベル上に置いてからジャンプ台として運用するか、縁から飛び降りる用とするか個別に切り替えられるようにした


リザルトのプレイ時間カウントについて




これが意外と資料がなくて困った反面、分かってしまえばとても簡単だったよ。

時間を測るタイマーを作るには? (翻訳/要約) - UE4 AnswerHub

上記のアンサーハブ記事を参考に(資料少ないと書いたけど、「UE4 タイマー」でググれば上から4段目にあるよ…!)、プレイヤーキャラクターBP上のTickで「Get Game Time in Seconds」から得たプレイ時間を、自分で作ったGame Instance内のFloat変数を参照し、それに書き込んで(Game Instanceはリスタートなどでレベルを再読込してもゲームインスタンス内の変数情報を保持し、大抵のBPから参照できる)




プレイヤーキャラクターBPのTick上のカウント処理。ポーズ中やボスカットシーン中は左のブーリアン変数の「Ingame」をFalseにしてカウント停止するようにしている(とドヤ顔で記入したけど、この処理多分意味ない…)


リザルト画面のUIでそのGame InstanceのFloat変数を参照して、バインドしたテキストを設定してあげるだけだよ!


 

その他参考にした書籍・サイト様 

体力の関係で詳細を紹介しきれないものを以下に!!!m(-_-)m

この本はUE4の義務教育的なもの (ビヘイビアツリーリベンジします)
Unreal Engine 4で極めるゲーム開発:サンプルデータと動画で学ぶUE4ゲーム制作プロジェクト

タイトル画面やポーズ画面実装の参考にさせていただきました!
UE4:ポーズ画面の作り方 - 僕の私のUnrealな日々

ボスキャラの頭上のインジケーターの参考にさせていただきました!
敵の頭上にある HP ゲージの作り方 - 情報は力ではない

UI関係でいろいろと参考にさせていただきました !
実はぷちコン期間中にブログを始めて拝見させていただきまして、早く知っておけばよかったァーー!!という情報が沢山詰まっておりました…!

みつまめ杏仁

お世話になっております(今回は制限時間関係の記事をいろいろと参考にさせていただきました)
UE4小ネタ : 制限時間の実装方法を色々と - ぼっちプログラマのメモ

alwei神のありがたいサイト。国内UE4勢でこのお方のブログの世話になっていない人なんていない(断言)
今回はシーケンサーやポストプロセスエフェクトをわかりやすく習得させていただきました!
UE4 シーケンサーを使ってみよう 基本編 - Let's Enjoy Unreal Engine


僕がこれまでUE4を触る上で参考にしたYoutube上のチュートリアル
 ナスヴィッチのYoutubeのUE4資料集 再生リスト


あとは書きべきことや参考にしたものを思い出せば書き足そうと思います。

UE4を触る過程で参考にさせていただいたすべてのサイト様に感謝を!
そしてこの記事が誰かの役に立ちますように。

ここまで読んでくれて、ありがとう!!!

2018年9月20日木曜日

第10回ぷちコンに応募した話 導入編



お久しぶりです。ナスヴィッチです。ここ数年はSteamに合計2000時間以上費やしていたり、Unreal Engine4をいじったりしていたよ。そんなわけでつい先日、株式会社ヒストリア様主催のUnreal Engine4 専用ゲームコンテスト、「ぷちコン」に作品を投稿してきたよ。応募形式はゲームの紹介動画なので、以下が投稿した作品です。




作品を制作するにあたって、多くの解説記事に助けられたので、僕も今回制作にあたって話したいことや、躓いた時に助けられた記事、解説が見つからずに自力解決したことなどについて書き留めていくよ。

はじめに

自慢だけどホワイトな職場なので、定時退社後はぷちコン制作作業を毎日欠かさず行い、後半に有給を大量投入して作業に没頭することができたことが完成にこぎつけた大きな要因だよ。おおまかに以下のようなスケジュールで制作を進めたんだ。この工程は使っていなかった有給を大量投入した結果実現出来たことなのと、素人なので制作の行程がめちゃくちゃだったりすると思うので、安易にマネしないでね。参考程度に留めてほしいよ。









特にシステム回りとアクタBP制作に4週以上取られていたね…。ここは結構見通しが甘かった。ボスキャラを実装したのが運の尽きでした。本当はステージデザインにじっくり時間をかけたかった…。ユニークだったりアホな敵やオブジェクトを沢山用意したかったよ。ボスキャラは確かステージ用のロイヤリティフリーBGMを巡っているときに、これは…!という完璧なBGMに出会ってしまったがため実装しました(テヘペロ

メモ

恥ずかしいけど、初期からのアイデアメモも公開してみるよ!(字が汚いぃ!)
アイデアは職場でも思いついた瞬間に記録しているので、汚いし読めないね…。
とにかくその場でも忘れやすいので、漢字がすぐ出なければひらがなでもいいので汚くてもとにかく書き記すのが僕のポリシーだよ。





結構迷走する性格なので、案外初期アイデアから何も変えていないことに自分でも驚いているよ。導入のシーンについても考えているけど、当時はプラモ的なキャラが主人公の想定ではなくて、生身の人間が小さくなる想定だったよ。


自分の部屋の間取りほぼそのままにステージ化しているのでこの辺の空間はこれを置いたらいいんじゃね?みたいなのがすぐ浮かんだよ(これ結構重要)。また、作業時間の都合上まるで出てこない敵マシーン達。1か月でこれ全部は無理…。


思いついたものはどんどん書こう。
結構形は変えるものの、芯の部分は残って実現される(ハズ)


唯一実装されたボス。まあ我ながら限られた時間内でよくやったと思う。


結局作業に一番大事なのはモチベーション

幸いなことに自分はしっかり寝れば嫌なこと忘れてモチベーションが戻る体質をいつの間にか獲得していたので(これはみんな一緒かな)、特に休日は早起きして作業、朝食、作業、疲労を感じたら寝る、昼食、寝る、作業、夕食、飲酒して作業、就寝といった感じで作業を進めることができたよ。

今回のぷちコン制作に際して始めたTwitterや、そこで知ったDiscordの作業通話も始めてみて、初期段階から「いいね」や「リツイート」、そしてたまにコメントなどの反応がもらえたこともモチベ維持に効果あったね。ただし後半はのめりこみすぎて風邪ひいて足かせになったり、他人のネガティブな発言が目に入ってダメージを受けることもあった(これは本当にキケン!)ので、一長一短だね…!

それができたら苦労しない!と思うけれど、どんなものでも制作するときは時間確保するとか、睡眠確保するとか、おいしいもの食べるとか、快適な環境を構築するとか、アガる音楽聴くとか、まずモチベ維持に命賭けよう!


というわけで、導入はこんな感じで、次回は本命の技術的な部分の解説や躓いた時に参考にした記事紹介などをしていくよ!



第10回ぷちコンに応募した話 技術編に続く!

2015年12月13日日曜日

雑記:安価なテクスチャ生成ソフトやBlenderアドオンを買いました その2

その1に引き続いてBlenderアドオンの紹介です。紹介するアドオンはBake ToolとBlendUp、アドオンはここで購入しました。

BLENDER MARKET


Blender向けのモデルやマテリアル、アドオンを販売しているサイト。アドオンは動画で機能紹介されており、英語に自信がなくてもなんとなくわかる。また不具合対応や新機能追加などちょくちょくバージョンアップを行ってくれるアドオンも多め。

Bake Tool


$14.95(購入時¥1,873)で購入。Blenderレンダー/Cyclesでのテクスチャベイクの設定を楽にかつ、バッチ処理(あらかじめ設定した手順に従い自動的に連続処理を行うことで、ここでの意味は設定に従い複数マップのベイクを自動で行う処理)もやってくれるアドオン。
ちなみにベイクのバッチ処理だけなら公開されているスクリプトでできるらしいので、探してみるといい。

以下、このツールでのベイクの流れを解説する。
Blenderのバージョンは2.76b、Bake Toolは1.31。

インストール

インストールは他アドオンのインストール手順と変わらない。

Blender Marketからダウンロードしたファイルを解凍する。


ファイル→ユーザー設定→アドオンのタブを開き、下段の「ファイルからインストール」をクリック。


先ほど解凍したBake Toolのフォルダを開き、baketool.zipを選択してファイルからインストールを選択。


右側のチェックボックスにチェックを入れて左下のユーザー設定の保存をクリックする。


プロパティの「レンダー」タブをスクロールしてBake Toolの項目があればインストールは成功だ。

Blenderレンダーで単一のオブジェクトをBake Toolでベイクする手順


Blenderレンダーデフォルトのベイクの手順と同様、ベイク用のUVマップを追加し(わかりやすくBakeなどにリネームしておくとよい)、UV展開を済ませる。


ベイクするオブジェクトの全マテリアルのテクスチャのマッピングを設定する。「座標」をUVに、「マップ」はそれぞれのマテリアルに設定したUVを設定。
(ひとつ前の手順で追加したベイク用のUVマップを間違って設定しないように!)


プロパティの「レンダー」からBake Toolの項目へ移動し、Job Managerの下の追加をクリックしてJobを作成。


このモデルのような単一オブジェクトのベイクならば、オプションでモードを「個別」に設定する。(上の画像中ピンクで囲まれた箇所)
Save pathで保存先フォルダを設定。(再度同じマップをベイクする際、フォルダを変更しないと勝手に上書きされてしまうので注意)

Object Managerで書き出すオブジェクトを指定する。(上の画像中水色で囲まれた箇所)
ベイクしたいオブジェクトを選択して、スポイトのアイコンをクリックすればリストにオブジェクトを追加できる。オブジェクト名のすぐ隣の欄はベイクの書き出し先のUVだ。ここに、この手順で最初に追加したUV(Bake)を設定する。

Pass Managerで書き出すマップを設定する。(上の画像中黄色で囲まれた箇所)
追加のボタンを押すと、Pass 1 が追加される。Passはいくつでも追加できる。
オプションの項目で追加されたPassごとに書き出すマップのタイプやサイズ、余白が設定できる。ベイクタイプの種類はBlenderレンダーデフォルトのベイクと同一なので説明は省く。



Passの設定を終えたら、Bake Toolの項目の一番上にある、BAKE!を押すことでベイクが始まる。 

ひとまず試しに256×256程度の低解像度で比較的軽いディフューズだけベイクしてみることをおすすめする。というのも、一度ベイクを始めてしまうと一切Blenderの操作が出来ないためだ。
見切り発車で高解像度の複数Passのベイクを始めてしまうと痛い目を見る。(体験談)
そのため、BakeToolでのベイク前にファイルを保存することも忘れてはいけない。


上の画像が256×256でベイクした結果。ベイクが終わると、完成したマップが予め指定していたフォルダに保存される。指定していなくても、「F ジョブ名_オブジェクト名_ベイクタイプ」(例:F job 1_Mesh03_NORMALS)の名前で画像が保存されているので、その画像を開いて画像を別名保存しても良い。
きちんとベイクされることを確認したら、本番ベイク用のPassを設定していく。



2048×2048サイズのPassを5種類のベイクタイプで設定した。あとは就寝前や出勤・通学前にBAKE!を押すだけで勝手に作業をしてくれる。



ベイク中はウィンドウの左上に進捗が表示される。




書きだしたマップの一覧がこんな感じ。Blenderレンダーでのベイクなので、一晩もかからなかった。
(i7 6700Kで30分くらい)

BlenderレンダーでBakeToolを使用する場合、全マテリアルのテクスチャのマッピングを設定する手順が面倒だった。(Blenderレンダーデフォルトのベイクなら特に設定しなくてもベイクできてしまう)どちらかといえば、Cyclesでのベイク向きといえるかもしれない。

今回紹介できなかった機能もいくつかあり、一度にバッチ処理可能なのはオブジェクト一つだけでなく、Jobを追加して別のオブジェクトを指定しPassを設定すれば、別々のオブジェクトのそれぞれのベイクもやってくれる。
 私は使わないが、別々のオブジェクトのUVを一つのマップにまとめてベイクしてくれる機能もあり、使い方次第でかなり時間の節約になるアドオンだ。


機能紹介ビデオがこちら


BlendUp 

2018/2/18現在、BLENDER MARKETから削除されており、残念ながら入手不可能です。


$35.00(購入時¥4,418)で購入。SketchUp内のメニューからそのままBlenderへインポートできる。これは厳密に言えばSketchUpのプラグインだ。SketchUpで設定したマテリアルのテクスチャ、UV、エッジの設定、Ngonもかなり綺麗な状態でBlenderに読み込んでくれる。私はSketchUpのモデリングに慣れきってしまっているため、このようなアドオンはありがたい。

これについても似たアドオン(Sketchup importer)が公開されているのでこちらで代用しても良い。
機能制限版のBlendUpLTSketchUpでの面が1000以上だとコンバート不可) もあるので気になる方は試してみるといいだろう。

以下、コンバートの流れを解説する。SketchUpは2016、BlendUpのバージョンは1.3。

プラグインのインストール、Blender・SU側の設定の確認


Blender Marketからダウンロードしたファイルを解凍し、インストールされているSketchUpのバージョンに合ったインストールプログラムを起動する。



特にSketchUpのインストール先を確認されることもなく、すんなりインストールが終了する。うまくいかない場合は一時的にウイルス対策ソフトを切ったり、右クリックして「管理者として実行」 を試すといいだろう。


SketchUpを開く前に、Blender側の設定を見なおしておかないとならない。
ファイル→ユーザー設定→「システム」タブ→ ローカライズの項目(スクロールすると現れる、右下の項目)
Blenderを日本語化している方はここの項目を設定して日本語化していると思うが、ここで設定されている項目によってはアドオンが正常に動かないので要注意。

ここに「インターフェイス」、「ツールチップ」、「新規データ」の項目が並んでいるが、一番右の「新規データ」がオンになっている場合はオフにする。

「新規データ」は作成したオブジェクトやモディファイヤの名称を日本語にしてくれる項目だが、それらに日本語を使うと特にアドオンなんかは動いてくれないことがある。Sketchup importerや今回のBlendUpも正常に動いてくれず(SketchUpから書き出すとカメラと光源しか書き出されない)しばらく悩んだ末、危うくこんな事でBlendUpのサポートに連絡を取ってしまうところだった。

 
SketchUp2016を使用している場合、SU側でも設定が必要だ。ウィンドウ→環境設定の拡張設定の項目にある、Spread 3D BlendUpという項目にチェックを入れる。

SketchUpからのコンバート


準備が済んだら、早速SketchUpでコンバートをする。このモデルは面が8745ほど、マテリアルが29種類だが、コンバートはかなり高速なのでテスト用に適当な軽量モデルを用意しなくても問題ないはずだ。

コンバート用にモデルやマテリアルを修正する作業は必要ない。書き出してみておかしな部分があれば直す程度で済む。

 
コンバートはファイル→BlendUpの項目でできる。が、まずはコンバート先のBlenderのフォルダを設定してやる必要があるため、BlendUpのいずれかの項目を選択するとウィンドウが出てBlenderのフォルダを設定するよう催促される。(あとからOptionsのConfigureで再設定できる)

 
Optionsの項目はシンプルだ。

Unit / Metric(メーター)かImperial(フィート)から選択。Metricで問題ない。

Rendering / Blender Internal(Blenderレンダー)か Blender Cyclesを選べる。

Use Sun Shasows / オンにするとBlenderにサンを置いてくれるが、今のところ太陽高度は反映されず、デフォルトでサンを設置した時と同じように真上からの日照となっている。(アップデートで修正?)

Export as Quads and N-Gons / オンにすると三角ポリゴンか多角形ポリゴンで書き出される。.daeや.3dsでの書き出しは自動的に三角ポリゴンへ変換され、編集時の見栄えが悪いので、この項目にチェックを入れるとかなり綺麗な状態で書きだされ、三角ポリゴンの数も僅かに減る。

Export Scenes as Cameras / オンにすると、SU上のシーンでカメラの位置を登録している場合に限り、Blenderにカメラを書き出してくれる。個人的にはBlenderのカメラは正直使い勝手が悪い(3Dビューのビュー内「視点を揃える」で「現在の視点にカメラを揃える」を使っても若干見切れていて現在の視点通りになっていない)のでこの項目は重宝する。ただし、書きだしたカメラはクリッピングの終了距離が100m程度なのでBlender側で修正する必要がある。

Simplify Materials / SU上では表と裏でそれぞれマテリアルを設定できるが、この項目をオンにすると表面しか書き出さない。ただし、SU上で表面と裏面が統一されていないと、面が正しくレンダリングされないなどの不具合が発生する。

Mark Edges / SU上のエッジをBlenderの辺のシャープに変換してくれる。シャープは曲面上でエッジを尖らせたいときに使える。

Keep Hierarchy / オフにすると単一のメッシュとして読み込まれる。

Use Blender Groups / コンポーネントを持つ大きなファイルサイズのSUファイルをコンバートする際にこの項目にチェックをつければ、Blenderグループに変換され、各グループは特定のシーンに蓄えられる、とある。(英語力が無くて最後の行についてはよくわからなかった)

Configure / blender.exeがあるフォルダ指定する。


 
オプションの設定が済んだらついに書き出しだ。ファイル→BlendUp→Exportで保存先を設定するとコンバートの進行状況を示すコマンドプロンプトが表示され、数十秒もすれば勝手にBlenderが起動する。書き出し速度はSU内部エクスポーターのdae、3dsなどより格段に速い。

 
Blenderが起動するとほぼこんな画面なので面食らうが、 これはOptionsの項目でも触れたように、初期のカメラのクリッピング終了距離が100m程度なのでオブジェクトが描画されていないだけだ。
画面を移動すればモデルを見ることができる。


コンバート時点のシェーデングはソリッドになっている。


シェーディングをレンダーにするとこんな感じ。サンが設定されているので綺麗に表示されるが、サンが真上にある設定なので、影の落ち方には違和感がある。

 
編集モードで開いたところ
左がOptionsのExport as Quads and N-Gonsをオン、右がオフ。右は.3dsなどで書きだした場合とほぼ一緒だ。左の三角面が31,566、右が32,713とポリゴン数もやや削減される。


あとがき

このプラグインもかなり重宝しそうです。というか、SUプロ版(商用版118,000円)の機能のうちひとつがこのプラグインで代用できるので(Blenderに書き出してしまえば、各種フォーマットへの変換も容易)、少し心配になります。
(2018/2/18追記:不安が的中してしまったようです)

何はともあれ、これらのソフトウェア/アドオン・プラグインを導入してみて、かなり便利になったことは間違いないので、どれもオススメできます。代用可能なフリーウェアのリンクも貼っておいたので、そちらをつかうのもいいでしょう。最近は独立系開発会社が大手ソフトウェアの機能に遜色ないソフトウェアを比較的安価だったりフリーウェアで提供してくれるからありがたいです。そんな開発者を応援する意味でも、今後もそんないいモノを見つけたらここで紹介したいと思います。それでは!